鉄汚染
金属類が木材に付着したことにより起こる現象です。木材表面に黒褐色~灰黒色のシミが発生します。



鉄汚染は容易に起こる
鉄汚染は特別な現象ではありません。
金属類が木材に付着し、降雨や湿気が多いなどで水分が木材と金属類の間に入り込み、木材成分と反応した部分が黒くなります。
金属源は多種多様で、置き忘れた金属製の工具や固定に使ったクギなどの周りでも同様に発生します。
公園の近くでは、砂場由来の砂鉄が原因となる場合もあります。
水は自然由来で、雨天などの高湿度時に発生しやすくなります。
どんな現象?
写真のようにカビに類似しており、木材表面に黒褐色~灰黒色のシミが発生します。
全体に発生する場合、金具・クギなどの周りに集中して発生する場合、雨染み模様などさまざまです。
原理は化学反応で、金属由来の「鉄イオン」と木材由来の「フェノール性成分」が環境中の「水」を介して反応し黒いシミになったものです。
鉄汚染はカビと混同されがちですが別物です。
鉄汚染 | カビ | |
---|---|---|
発生までの時間 | 比較的短時間 | 日数をかけ徐々に面積拡大 |
薬品指標(漂白剤) | 除去不可能 | 除去可能 |
除去方法は?
わずか0.000005%以下の鉄イオンがあれば発生するため、残念ながら現時点で完璧な予防策はありません。
除去方法では、3~5%のシュウ酸水溶液の塗布後、汚染が消えたのを確認したら水洗いする手法が一般的です。
注意点として、濃いシュウ酸水溶液で処理すると木材が赤く変色してしまう事があります。
木材の種類によっても異なるため薄い方から順に試すことを推奨します。
また、鉄汚染が再発生する可能性もあります。
水洗いの代わりに5~10%リン酸二水素ナトリウム水溶液を塗布することで、再発防止効果が長持ちします。
シュウ酸は薬局などで購入できますが、劇物に該当するため身分証明書が必要です。