塗料の保管方法について
2014年5月21日 / 投稿者:Guardlac Staff / カテゴリー: 塗料
こんにちは、汎用技術課の西川です。
ここ数か月、鼻水とくしゃみに悩まされてきた私にも平穏な?日々が戻ってきたことを皆さんにご報告いたします。
さて、私の普段の業務は塗料の開発を行っており、毎日、毎日、様々な試作品を作っています。
1年を通して開発業務を行っていると相当な数の試作品が出来上がります。私はどちらかというと整理するのが苦手な方なの
で私の実験台は、いつも乱雑になっていることが多く時折、人から指摘を受けることもしばしば・・・
反省することもありますが、この乱雑なのにも私なりには、ある一定のルールがあったりするわけなのですが、こういうことは人に説明してもなかなか理解されないですね。
でもこの作った試作品もいつかは、整理する時が来るわけですが、あくまでも試作品ということもあり、整理する頃には、塗料が容器の中で固まっていることもあります。
保管安定性の悪い、いわゆる失敗作です。
製品が容器の中で固まってしまうことなんて、あってはならないことなのですが、実際、購入した塗料を1回では使いきれず残ってしまうこともよくあることだと思います。
そんな時に
・次回使うのが1年先、2年先と期間が空いてしまう場合
・フタを閉め忘れた場合
・保管状況が悪かった場合
など、次に使おうとした時に容器の中で塗料が固まっていて、使えなかったりする場合があります。
塗料というのは、最低限の消費期限というものはありますが、1回使った後フタをして1年、2年と保管したとしても十分使えるくらいの保管能力は持っています。
ただ、フタが完全にしていなかったり何度となく空気に触れることが多かったりすると塗料自身が持つ、保管能力が弱まります。
一番分かりやすいのが粘度です。最初は、塗料の粘性がサラサラしていたのに久しぶりにフタを開け塗料を取り出してみるとドロドロした状態で容器から出てくることがあります。
これは、塗料の粘性が変化してしまっている証拠です。
なぜ、変化してしまったのでしょうか?
1つは、塗料は、希釈剤と呼ばれるものが配合されています。
溶剤系塗料であれば「シンナー」、水系塗料であれば「水」といった希釈剤を使い、塗料の粘性を自由に設定しています。この「シンナー」や「水」は、揮発成分でありますから放っておけば勝手に揮発していきます。
もちろん、塗料容器のフタが開いていれば、そこから揮発していきます。
塗料成分から希釈剤がどんどん揮発していけば、塗料の粘性が変化していきます。
塗料を塗装すると成分である希釈剤がまず、塗料中から揮発することで樹脂の反応が始まりますので塗料成分から希釈剤が抜けることで初めて塗料が乾燥を始めるのです。
これが、塗料の容器中で始まってしまうと容器の中で塗料が固まるという状態が起きるのです。
こういうことが起きない為にも残ってしまった塗料を保管する場合に気をつけてもらいたいことがあります。
まずは、「フタをキッチリすること」
よくあるのが容器の口付近に塗料がついてしまい上手くフタが閉まっておらず閉めたつもりになっていることがあります。容器の口付近に塗料がついている場合には、キッチリ拭き取りましょう。
次に「保管場所」
直射日光の当たらない冷暗所に保管すること。
これも直射日光が当たると容器の表面には、かなりの熱がかかり塗料にとっても大きく負担がかかります。
もう一つは、「空気に触れる回数を出来るだけ少なく」
塗料の種類によっては、空気の酸素を利用して、固まっていく塗料があります。
この様な塗料を保管する場合には、出来るだけ空気に触れる回数を少なくしてあげなければ徐々に塗料は固まっていくことになります。使う際には、塗料の特徴をよく確認した上でお使い下さい。
長々と書いてしまいましたが、塗料の保管をする場合というのは、特別なことをする必要はなく、別に難しいことではありません。
キッチリ、フタをして直射日光、雨、風の当たらない場所で保管をして頂ければ、それでオッケーです。
加えて、お使いになる塗料の特徴なんかを少し確認して頂ければ、言うことはありません。
こういったことは、容器にあるラベルや仕様書、安全データシートなどにも注意書きとして記載してありますのでご確認頂ければと思います。
各塗料の製品情報につきましては、弊社、ホームページから確認することが出来ますので1度ご覧になってみてください。
また、塗料の保管に関することで疑問や不安などが御座いましたら、弊社のお客様センターへ遠慮なくお問い合わせ下さい。
専門スタッフが皆様の疑問にお答えいたします。
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