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社長に訊く ガードラック製作秘話

2013年3月28日 / 投稿者:Guardlac Staff / カテゴリー: 社長に訊く

みなさん、こんにちは。

入社2年目の岩尾です。入社2年目と書きましたが、4月には3年目になります。振り返ると時が経つのは本当に早いですね。

さて、10年後生き残っている会社が3%と言われますが、和信化学工業は創業1924年で89年の歴史がある会社です。いち早く塗料の水性化に取り組んで、人々の暮らしの安全に貢献してまいりました。

私が生まれる前の話になりますが、和信化学が大事にしてきた思いを皆さんと共有できればと早速弊社の社長にお話しを伺いました。
ガードラック

まったく売れなかった初代ガードラック


油性の初代ガードラックを作ったのは、販売店さんから「和信さんも木工塗料の専門メーカーと旗を揚げてやってるんだから、木材保護塗料を作って下さい。」と有力な販売店さんから言われたことがきっかけ。

それで、うちの技術の責任者が主要塗料メーカーがあるドイツに出張してノウハウを学んできたんだよね。製薬会社に勤めていらっしゃった方と共同で、うちの技術者の親分が一緒になって作ったのが初代の油性ガードラックなんだ。

けれども、性能は総合的にみると悪くないのにどうしても先行していた商品に勝てなくてね。既に先にあったドイツの商品が指定の規格に入っていて、後から参入したガードラックがシェアを取っていくのは難しかった。


誰もが安心して使える安全な塗料を作りたい


やっぱりもっと、ガードラックという商品をいろんな人に知ってもらって使ってもらいたくてね。いろいろ考えてみた結果、他にないものをやろうと考えて、これはもう水性しかないと思った。

もともと和信化学の木工用塗料は、家具や建材用の業者向け塗料が主流で、商品の中に一般生活者向けの塗料は多少あったけれど、営業マンも売ろうとしなかったし会社も力を入れてなかったんだよね。

ちょうどグループ会社の和信ペイントができた頃に、ホームセンターが増えてきていて、一般の人に塗料を売る店が増えだした頃で。将来必ず、一般の人も塗料を使うような時代になるんじゃないかと思ったんだ。

ガードラック
1970年代当時は、自動車とか一部には水性が使われていたけど、木工の分野ではほとんどなかったし、当時の日本ではあまり環境への意識が高くなかった。けれども、アメリカはDIYが盛んで自分で家や家具を作るし、日本でも一般生活者が塗料を使うようになる時代が来ると思ったんだよ。

やはり、外国の文献を読んでいてもやはり塗料の水性化が進んでいた。誰でも使えるような商品は、安全で環境に優しいという塗料が絶対に一番だと考えてね。水性の木材用塗料を作って、和信化学として暮らしの安全に貢献していきたいと強く思ったんだよね。
水性ガードラックの開発過程では「水性の塗料を作っても売れない。」と技術者とは喧々諤々だった。案の定水性ガードラックを出した時も全然売れなくて。塗装屋に持っていたら持っていたで、「こんな木目の出ないような塗料はダメだ。」と一蹴されてね。

水性の樹脂と薬剤の相性が悪かったみたいで、商品化したはいいものの乾かなくて大クレームになって。本当に評判が悪かった。技術者のトップに「なんとかしてよ。」と言ったもののなかなか塗装後の粘つきを改善するのは難しくて、水性ガードラックを作ってから2~3年は全然売れなかったね。

それでもガードラックは汎用塗料の中で主力商品だったから。環境意識の高まりの流れも見ながら、何が何でもなんとかしてやろうと思ったね。

(つづく)

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