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ガードラックの森づくり対談(前編)

2013年6月24日 / 投稿者:Guardlac Staff / カテゴリー: ガードラックの森

和信化学工業株式会社では昨年度より工場のある長野県駒ヶ根市において、森林整備活動を行っています。1年を振り返って、ガードラックの森づくりをサポートして下さっているNPO法人森のライフスタイル研究所の竹垣さんと、きこりで樹木医の吉見さんにお話を伺いました。
対談
―どのような活動をしているか教えていただけますか。

(竹垣)森のライフスタイル研究所(以下、森ライ)は、森と人をつないでいく役割を持った団体をめざしていて、ほぼ毎週末、森づくり体験バスツアーを企画しています。春には苗を植えて、夏は草を刈って、秋から冬に木を伐るという森の流れに即した活動をワイワイと賑やかにやっています。

森林整備僕は商学部出身で、林業と全く関係のない分野からこの業界に携わっています。僕の役割は異分野から森づくりを見た感覚を大切にながら、市民の森づくりへの関心をどうやって高めていけるのかというところに尽きると思っています。

(吉見)僕も竹垣さんと同じく林業界と全く関係のない分野の出身で、以前は東京で専門書の編集者をしていました。20年前にIターンで長野県駒ヶ根市に住み着き、森林組合で山の作業に関わってきました。

森林整備その森林組合も今年の3月で退職し、4月から株式会社アーバンフォレストリーという林業に関わる会社を立ち上げました。

―森ライは10周年、吉見さんの活動も20年を迎えるとのことですが、お二人を引き付ける森の魅力はどのような点にあるのでしょうか。

(吉見)なぜ森に惹かれるかと言えば、森ではさまざまな花が咲き、多くの木の実がなります。そして風の音や水の音。鳥のさえずりだったり、虫のはばたきだったり、街にはない生命力を感じられ、人里にはない多くの情報が心地良く感じるのだと思います。

対談(竹垣)そうですね。なんだかんだ言って、車やコンクリートが人の生活に関わってきたのって最近の話じゃないですか。森林や木って縄文時代やそのもっと前から人間のDNAとして、遺伝子に脈々と受け継がれてきているものですよね。高度成長期の時に一時期木材の魅力が忘れられていたけど、ここにきて自然が見直されて戻ってきている気がします。

(吉見)実際にオフィス街に働いている人たちがちょっと休憩に新宿御苑や神宮の森へ行こうかと言ったり、週末には信州に行こうかとか東北行こうかとか言っているのも、林や森の良さというものを身体で実感できるからですよね。

―日本の森づくりの現状や課題について教えていただけますか。

森林整備(吉見)林業も産業の一部ですから同業者が競争しながら様々な形に発展していくのがベストだと思います。しかし現実には国は補助金をばらまき、大規模集約化の名の下に一面的な林業振興を進めています。

(竹垣)50年前に拡大造林政策で、みんなで同じ方向でコトを進めてもいいことはなかったのに、今度はまた、大集約化という同じ方向のコトを推し進めています。どの業界でも3年5年後の話でさえきちんと予測できないのに、まして50年後なんてわかるわけがない。白か黒か極端なところにいきますよね。もっと、多様性を認めてもいいのではないかと思います。

(吉見)木が売れる売れないを考えもせず何故か伐期(伐る時期)が来たってみんなで言ってるわけですよね。それでもし木が売れないと今度は長伐期(伐期の延長)が良いと言ってます。また、材木ならヒノキ材が一番とか、丸太は柱材にならないと価値がないとか、ものすごく一面的な考えが横行しています。

間伐(竹垣)無垢材じゃなきゃダメだとか。

(吉見)必ずしも全てのユーザーが柱材を欲しがっているわけではありませんよね。家具材に使えるものだったり、床材だったりとユーザーによって違うわけです。しかし林業界はユーザーがなにを欲しがっているじゃなく、とにかく我々は柱材を作るんだ、柱材が一番価値があるんだと考え、柱材にならないような細い木は全て捨てていました。つまり柱にならないような木には価値がなく、搬出する手間賃にもならないと考えてます。

ユーザーが何を求めているかは二の次なんです。細いから何にも使えない。割り箸にしか使えないなんて考えるわけです。つまりごく限られたマーケットしか見ていないんですね。本来業界とはユーザーに対して売る側が工夫をして、こんなことにもあんなことにも使えますよって、多角的な利用を示していくのが常識なんですけどね。

対談(竹垣)要はマーケットで木がどんなものに使われているのかですよね。市場で工事ラッシュがあれば、留めの丸棒が必要だから細い間伐材で十分だったりするわけですよ。

※ガードラックの森づくり対談(後編)に続く

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