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木材塗装の『も!』その5

2013年5月30日 / 投稿者:工藤 貴久 / カテゴリー: 塗装

前回予告した通り、今回は「塗装のミッション」のつづきをお話しますね。

「木材塗装とは?」の解説をお話し続けてきて、数えること5回目。

いよいよ、大詰めです。

では、

例によって長くなると思います。(本当に長いです。)

「塗装のミッション」という言葉には、

塗装“作業”を完遂できるか? ということと、

“『正しく』被塗物を美しく保護”できるか?

という2つの命題が含まれていると考えます。



そうです。

単に、被塗物を美しく保護するのではなく、『正しく』なければいけません。

せっかく、

「塗装の極意」を駆使して、作業を完了しても、

用途目的に適していない。または、達していない。では、ダメダメですよね。(当然ですが)

『正しく』被塗物を美しく保護するためには、

言い換えると、

塗装のミッションを完了に導くためには、

明確な「塗装プラン」が不可欠になります。

そこで、

どのようにして塗料や塗装方法の選定がなされるのか?

つまり、どのようにして「塗装プラン」を考案するのか? が、

大切になってきます。

お察しの通り、

まずは、部位(塗られる場所)により用途や、求められる性能が絞り込まれてきて、

さらに、素材の状態や性格によってプランが構築されていきます。


これが仕事となると、大小様々な“限定条件”が加味されてくるので、

正しい「塗料と塗装方法の選定」をするための要素は、けっこうたくさんな数になり、

とても複雑に思考しなければならなくなります。



塗装するところは屋内? それとも屋外?

フロアー? 壁? カウンターテーブル? 窓枠?

ウッドデッキ? 玄関ドア? 軒天井?

木材の樹種は? 造作のされ方や工法は?

カラーや仕上がりのテイストはどんなモノがお好み?

商業施設? それともスポーツ施設? やっぱり住宅?

新規の塗装ですか? 改修塗装! で、どの程度改修する?

コスト予算は? 工期はやっぱり短いの? 塗装工事の前後にはどんな工事がくる?

足場を組むスペースは? 周辺の住宅や施設は?

作業の経験は豊富? 装置や機器は揃ってる?





などなど、

数多くの要素をもとに、『塗装プラン』が導き出されます。

やがて、『塗装プラン』=『塗装のミッション』であることに気付きます。

さて、塗装プランを練り上げるときに、大変重要な心構えがあります。

何だと思いますか?・・・・・考えてみてくださいね。

「塗装プランを練り上げるときに、大変重要な心構え」

それは、

『あれもこれも叶えようとしない!』ということです。

マルチ的に「なんでも叶える」ように努めても、

結果は、「何一つ満足できないモノ」になってしまいがちです。

それよりも、「どのような空間にしたいのか?」をグゥッと考えて、



どうしても譲れないテーマを1つ。

または、2つに絞り込んでプランを練ってみると、

軸のブレない塗装プランが導き出されるでしょう。

フォーカスすることが大切です!



そのような塗装プランにしたがって実現された“Wood Finishing”は、

空間の中で、確固たる存在感を発揮することでしょう。

ここでひとつ、例を挙げて考えてみましょう。

ケーススタディ1

《地下飲食店舗のカウンター天板を改修塗装する場合(素材:広葉樹集成材 現状:着色有り)》

●地下ということで、通気&換気の条件は良くないと想像できる。

さらに、店舗だから工期は極めて短く、営業を再開すると、店舗ゆえに不特定多数の人が来店。

しかも、飲食店。たべものにとって、香りも味のひとつ。


『有機溶剤を多量に含んだ塗料は使用したくない!』

(理由:乾燥期間を充分にとれない可能性があることと、どのような体質の方が訪れるか判らない)



●飲食店のカウンターなので、酒類・いろいろなソースや油や調味料などによる「汚染」と、

熱をもった食器などによる「ダメージ」が懸念される。

当然、一般家庭のダイニングテーブルよりも、使用状況が過酷であることは明白。


『できるだけ強靭な物理性能を発揮する塗料を選択したい』

(理由:部位により用途が決まり、用途ごとに求められる性能も違う。天板には、要!物理性能)





上記2点から・・・・・

塗装プランは『環境性能に優れ、強靭な塗膜物性をもつ塗装』としてみます。

そして、このプランを実現するために、弊社の塗料で塗装工程(例)を組んでみると・・・


1 下地処理 P-100〜150サンドペーパーで旧塗膜完全除去

2 素地着色 アクレックス3000ポアーステイン調合色+砥の粉で目止め着色

3 下  塗 アクレックス3562カウンター用2液フラット半ツヤ1回目塗布

4 研  磨 P-320サンドペーパーでケバ取り研磨

5 中  塗 アクレックス3562カウンター用2液フラット半ツヤ2回目塗布

6 研  磨 P-320〜400サンドペーパーで平滑に研磨

7 上  塗 アクレックス3562カウンター用2液フラット半ツヤ3回目仕上げ塗布

※下塗・中塗の乾燥時間を短縮するために、ドライヤーで風をあてることもアリ。

水系塗料での作業現場だからこそ、火器ともいえるドライヤーの持ち込みができる。

※ほとんどの塗料は、本来の性能を発揮するために乾燥後1週間程度の養生期間が必要。

営業再開時は、コースターやマットなどを上手に利用し、直接使用を控えた方が良い。





と、いうような感じになりました。(少しばかりのCM効果)



今回は結果的に、カタログ的な塗装工程となっていますが・・・





如何でしょうか?

このような積み上げ思考により「塗装プラン」を立案してみると、

必ずしもラベルやカタログに記載されている工程だけが正解ではないんじゃないか?

と、あなたも感じていただけたのではないでしょうか?





つまり、塗装方法における『正解』は、何通りもあるのだということをお伝えしたいのです。


ただし、それは

『塗装プラン(=塗装のミッション)』を、どのように設定するか?によって、

是非の判断が変るということを念頭におかなければいけません。



そして、塗装プランは、

対象となる空間が創造されたときのテーマと同調していることが望ましいといえるのです。




塗装を「塗装」だけで考えず、



塗装は空間を構成している要素のひとつであり、

期待される役割があるのだと、自覚しなければならない。

っていうことだと思います。

塗装のミッション・・・・・

大げさに言い過ぎですかね?(やっぱり)



つづきはあるか?

次回を待て。

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